滋賀ペット治療院の山路です。
主に往診でペットの鍼灸治療をしています。
7月2日大阪市内で、青木先生の「ハズバンダリー・トレーニング」セミナーを受講しました。
青木先生は、インコのクリッカートレーニングの本でご存知の方も多いのではないかと思いますが、人と動物の暮らしをより豊かなものにするために、「応用行動分析学を利用したトレーニング」を指導しておられます。
「ハズバンダリー・トレーニング」という言葉は、最近いろんなところで目にするので、お聞きになったこともあるかと思います。
日本語では、「受診動作訓練」の様な訳がついてますね。
つまり、病院で診察や治療を受けるという、動物にとってはストレスのかかる不快なことを、できるだけ動物が喜んで受け入れるように訓練しようというものです。
動物園で、キリンやライオンが飼育員さんに喜んで脚やしっぽを差し出して採血されている動画をご覧になった方もあるのではないでしょうか。
キリンの訓練風景はたくさん公開されていますね。
ところが、犬猫の世界では「ハズバンダリー」の考え方はあまり普及していません。
どちらかというと、保定でとにかく動かなくさせるのが主流で、犬猫にとっては動物病院はやはり「ストレスのかかる怖いところ」になっているケースが多いのではないでしょうか。
これは、やはり犬猫が小さくて人間の力で保定できる動物であるということと、犬猫が人間と一緒に暮らすように品種改良された動物で、人間のすることに対してかなり寛容になれるからだと思います。
つまりどういうことかと言うと、犬猫は「かなり我慢してくれている」ということで、噛んだり引っ掻いたりする犬猫は、「攻撃的で問題のある犬猫」なのではなく、単に「我慢の限界を超えた犬猫」だということなんですね!
ハズバンダリー・トレーニングの考え方は、そんなに特殊な世界のものではありません。
相手がどんな動物でも同じように不快な思いをさせない、無理強いをしないということを基本にしています。
これは、動物病院を受診する場合に限らず、日々の暮らしの中のささいな動作全てに当てはまります。
この、応用行動分析学を応用した真に犬猫にとって優しい訓練法が犬猫の世界に広がることで、ペットである犬猫と飼い主である人間の絆がより深まり、ペットにも飼い主さんにも笑顔が増えることを願います。
青木先生のインコのしつけ本、オススメです!
ただ、インコに芸を教える本ではありません。
楽しく芸を教えることで、人間の手を嫌がらず、進んで日々の健康管理に協力してくれるような動作を覚えます。
どんな小動物にも猛獣にも応用可能ですよ!
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一般飼い主さん向け、プロのトレーナーさんや獣医師向け、動物園や水族館の方向け、など。
興味を持たれた方は、ぜひ一度覗いてみてくださいね!