滋賀ペット治療院の山路です。
主に往診でペットの鍼灸治療をしています。
東洋医学・・・私は中医学や漢方などをひっくるめてこう呼びますが、基本の考え方は「気の流れを整え、バランスを保つ」ことを重視します。
そこで大切なのは「未病」という考え方です。病気になる前の状態、ちょっと具合が悪くなった状態でケアすることで、健康を保つのです。
先日ご紹介しました「丁先生、漢方って、おもしろいです。」の本の中では、未病を次のように定義しています。
- 検査値に異常が見られないが、自覚症状がある。
- 自覚症状はないが、検査値に異常がある。
- 医学的には治療を終えたが、完治した感じがしない。
- 医学的には治療を終えたが、再発の恐れがある。
本の中では、1番を「東洋医学的な未病」と定義し、「本人は自覚症状があるのに医者には異常がないと言われ、治療がされない状態」と説明しています。
2番は「西洋医学的な未病」と定義し、「医者には治療を勧められるのに本人がその気にならない状態」としています。
また、3番・4番は「現代的な未病」とし、手術後の状態やガンなどがこれに当たります。
人間の場合は、自覚症状を言葉にして表現してくれますから周囲もどんな状態かわかりますが、ペットの場合は「今日は頭が痛い」とか「なんか体調が悪い」とは言ってくれませんので、飼い主さんの日々の観察が頼りになります。
「この頃あまり散歩に行きたがらない」「ちょっと歩き方がこわばっている」「下痢気味、または便秘気味」「おしっこを何回も少しずつする、色や臭いがいつもと違う」などの変化に気づいてあげることが大切ですね。
また、定期的に動物病院で血液検査をうけるなどの健康管理も必要です。
もちろん、毎日の変化に一喜一憂して神経質になる必要はありませんが、小さな変化や状態を客観的に把握できるのは飼い主さんだけです。目で見て、手で触れて、ペットに語りかけて、「未病」のうちにケアしてあげたいですね。
ローラー鍼やお灸は、この「未病」のケアには非常に有効なのですが、毎日やっているとあまり変化がわからなくてだんだん飽きてしまい、「別にやらなくても変わりないかな。」と止めてしまうケースがあると思います。
しかし、この「変化のない状態を保つ」ことが東洋医学ではとても大切です。毎日、スキンシップの一環として、テレビを見ながらでもお茶を飲みながらでもいいので、コロコロしてあげましょう。
「気持ちがいいのでペットがじっとしている。」「うっとりした顔になる。」
これが何より「効いている」証拠です!
我が家のバーちゃん猫も、毎晩私の膝に上ってきて「早くコロコロやれ」と催促します。私を信頼して、「この人なら気持ちよくしてくれる」と思ってくれてるのは飼い主冥利に尽きますね!