先日、往診に伺ったダックスさん。椎間板ヘルニアの手術後、脊髄軟化症を発症し、一時はもうダメかと思われたそうです。
脊髄軟化症は椎間板ヘルニアグレードⅤの約10%に発症すると言われています。発症すると障害部位から徐々に脊髄神経が壊死し、ほぼ100%死に至るという進行性の非常に恐ろしい症状です。
原因は不明で、進行がとても早いため対処法が難しく、まさに「なすすべもなく」死亡してしまうケースがとても多いのです。
こちらのダックスさんは幸いにも命を取り留めましたが、全身に麻痺が残り、寝たきりになってしまったそうです。
当初は後ろ足も前足もまったく感覚がなく、ほとんど動かすことができなかったそうですが、飼い主さんの懸命なリハビリで前足には感覚が戻り、動かせるようになったそうです。
この車椅子も、作ったときは頭を持ち上げることができなかったそうですが、すぐに持ち上げられるようになり、再度調整が必要になったとのこと。
このダックスさんの場合、なかよしのワンちゃんたちがお見舞いに来てくれたり一緒に遊んでくれたのもリハビリの大きな力になったかもしれません。
どんな病気でも、獣医師でもどうしようもない場合があります。全てが努力や思いだけで治るものではありません。
でも、「なんとかしてあげたい」という思いを込めた飼い主さんのケアは、ペットにとって大きなプラスの力になります。
そんな飼い主さんを少しでも応援できるよう、鍼が力になれればと思います。