犬猫の慢性腎不全と鍼

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猫さんに鍼

鍼のあとは食欲が回復したとのことです

滋賀ペット治療院の山路です。
主に往診でペットの鍼灸治療をしています。

今回は慢性腎不全について、お話しします。

東洋医学的には、「腎」は先天の精を納めている臓器で、年を取れば誰でも弱っていくものです。
その通り、犬でも猫でも高齢になると腎不全になる子が増えます。

特に、猫は慢性腎不全が高齢猫の死因のトップを占めるほど、一般的な病気です。
最近の猫はとても寿命が長く、20歳超えも珍しくないのですが、腎臓の方は6,7歳から悪くなり始めるとのことですから、猫生の半分以上は腎臓が悪いことになってしまいますね。

犬の場合は猫ほどではありませんが、やはり高齢になると腎機能は落ちてきます。
また、感染症や心不全から腎不全になるケースが多いようです。

猫の場合は腎臓による水分の再吸収が悪くなるため、慢性腎不全がひどくなると脱水症状を起こします。これは点滴によってある程度の改善が見込まれます。

一方、犬の場合は腎臓が体内の不要なものをろ過する機能が落ちるため、体に毒素がたまってしまいます。猫よりも状態が悪くなるのはこのためです。

シェルティに鍼

こちらも、やはり鍼治療後食欲が回復しました

腎臓はじわじわと衰えていき、一度壊れた細胞は元に戻らないため、腎不全を予防するためには早期からの食事療法などが必要です。
定期的な血液検査で腎臓の状態を把握することができますので、シニアペットには定期的な健康診断をお薦めします。
今は、SDMAという早期の腎不全を検出するマーカーもありますので、シニアペットは試してみるといいですね。

食事療法には、腎臓ケア用の療法食などもありますが、フードは好き嫌いや、合う・合わないがありますので、それぞれに合うものを見つけなければなりません。
また、アンチノールやアゾディルなどのサプリメントを試してみるのもいいと思います。

今は薬もいろんな種類があり、腎不全の進行を遅らせるものがあります。
いわゆるACE阻害剤は心臓の薬なのですが、腎臓の負担を減らすのにも効果があります。
我が家の猫はセミントラをずっと飲ませていました。
こちらも腎不全のケアには効き目があるようです。

猫にローラー鍼

家庭ではローラー鍼やお灸によるケアが効きます

食事や薬でコントロールしていても、シニアの場合はちょっとしたバランスの崩れで急に体調が悪くなることがあります。
そんなペットに対し、鍼治療の依頼を受けることがよくあります。

鍼は運動器の疾患にだけ効くものではありません。
意外にも、腎不全や消化器疾患など、内科的な病気にも結構効きます。

鍼灸は体の気の流れをよくするものですから、腎不全などで食欲の落ちた犬猫が、鍼治療の後どことなくスッキリした顔になり、食欲が回復するという事例がたくさんあります。
また、腎不全には冷えが大敵ですので、シニアの子たちには腰にお灸をするのがとても効果的です。

ローラー鍼で血行をよくすること、お灸で温めること。
家庭でも簡単にできますので、シニアの子たちには日頃からこまめにしてあげるといいですよ。

腎不全に鍼・・・? と、思わずに一度試してみてくださいね。

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動物病院では原因がわからないと言われたんですが・・・

シーズーにお灸
最近、なんとなく調子が悪い気がするけど、動物病院では特にどこも悪くないと言われた。
なんとなく歩き方が変だけど、動物病院では原因がわからないと言われた。
人間の病院でもありますよね、そういうこと。
鍼灸は、体の調子を整える治療ですから、「原因はわからないがなんとなく具合が悪い」症状にも効果があります。
まずは「気持ちよく」してあげることから始めます!
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